インターネットメディアが報道で個人情報を利用する際には個人情報保護法の規制対象から外れる。
報道は公益性のあるものであるため事件に関係した個人情報を取り扱いが発生する。
対象者が未成年で少年法の対象年齢未満であるか加害者と思われる人も配慮をしている。
被害者である場合には、児童であっても実名報道される。業界での取り決めがあるが、
犯罪報道の場合は警察発表時に配慮されることや報道機関内の判断がある。
個人名の公表が必要なケースかどうかは事件によって異なるため食中毒の被害者が出た場合などは
実名報道されるケースは少ないし、テロの被害者は実名報道される。
報道された個人には社会的に影響が発生するので、改正個人情報保護では、
被害者家族の個人情報の取り扱いは要配慮個人情報として、
報道目的以外の事業者は原則として収集の禁止と収集時の同意が義務付けられている。
芸能人は、報道価値があるのかどうかわからないことも報道される。
彼らについては報道目的であるから個人情報保護法の対象外であるというだけではなく、
公人であると言った理由からプライバシーの情報が公表されてしまう。
芸能人は、本人の情報を公開することが仕事と深い関わりがあるので、
知られている人の出来事が報道価値となるのかもしれない。
芸能人は、芸能活動としてある程度の個人情報の公開が必要となるが
プライバシーの保護を放棄しているわけではない。プライバシー情報を
活用するプロとして、自身のプライバシーを保護している。
報道としてもあまりに私的な内容が名誉毀損なった場合には媒体社への
販売差し止めや損害賠償請求を行うこともできる。
芸能人のプライバシーがないのは肖像権やパブリシティ権などがビジネスで利用されるにあたり
その人の人格がそれらの価値の裏付け情報として必要であるため準公人として
プライバシーの保護がされないのかもしれない。
政治家など投票によって選ばれる人は公人であるから、
選ぶにあたって情報が必要であるからプライバシーに関する情報は
公開されている。彼らの不正に関する事件報道は、社会の監視として必要性がある。
メディアの対象の個人情報を取り扱うかどうかは、
メディア運営の対価が、視聴者による収入なのか広告収入なのかが大きな問題となる。
双方に共通するのは視聴率が必要だということだ。(ただし、視聴率が低くてもコンテンツ料金の支払いが
安定している場合があれば、視聴率の重みはなくなる。)
メディアが無料閲覧できる仕組みの場合は広告料収入モデルだから、
視聴率ととも広告効果についても検討せざろう得なくなる。
広告主は、広告費に対して売り上げが期待できないメディアへの出稿継続はできない。
メディアは運営を継続するために読者を集める努力と同時に広告にクリックする仕組みを
考えるようになる。そこで、記事風の広告が導入されるようになった。読者は、記事を
読むつもりで広告を読みそこから購入する流れは、読者の認識をさせない手法であるため
メディア不信につながった。その対策としては、「広告」「PR」という表記を入れるよう
な方法が主流となっている。
また視聴者の視聴動向から関心のありそうな広告を掲出したり、コンテンツと関係した広告の
表示をするなどによって、表示される広告と視聴者のマッチングをはかる工夫がされている。
検索ページを媒体と呼ぶならgoogle検索結果は、googleアカウントの読者属性にカスタマイズ
されている。同じ検索結果でも表示されている情報は他人とすでに違う。
インターネットの無料は、広告収入によって賄われて下り、広告収入はその無料のサービスから
誰かが何かを購入した対価ということだ。誰かが何かを購入している。その誰かにするために
全ての人の利用状況が分析されたり、オススメ商品の掲載されている。無料サービスの対価はあなたの
個人情報だ。と言った方が理解しやすい。利用者にとって、広告には脅威なものであったり有害なもの
であるような認識が高まりつつある。
メディア事業者は、利用者の広告離れが進むほどに広告主をつなぎとめるために視聴者に気づかれないような
広告手段を検討するスパイラルに陥ることになる。視聴者が気がつかない仕組みなどは、ステレス型のマーケティング
として更に不信を招くことになる。メディアのプライバシー問題は、視聴者への広告効果を上げるための
プライバシー情報の利用が不信の溝を深くすることだ。
視聴者は、賢いので最後まで騙し通すことはできないと認識すべきだと私は思う。
cookieについても米国ではオプトアウト、ヨーロッパではオプトインの規制がある。
日本のユーザーがこのままずっと気にしないでいられるかどうかはわからない。
高度経済成長期での紙媒体の広告掲載などでは、広告掲載基準によって読者が被害に遭わないように
媒体社が基準を求めていた。広告獲得が難しい時代であっても視聴者から苦情が出るような広告主との
取引はリスクとなる。まずは、広告主をクリーンなものとし広告行為による被害者が発生しないようにする。
媒体社は、視聴者の行動傾向や登録された個人情報やビックデータ分析からの予測に依って、
広告を出すなどの広告効果を上げるためのテクノロジーの利用について視聴者に開示して
行なっていることについて不信感を軽減してもらう。効果がある広告を出すために
視聴者の悩みに関する広告が出続けるのはその機能があるだけで、外部と共有はしていないとか。
行動広告ネットワークでどの媒体でも同じ広告が出るのはその加盟媒体だけであるなど。
公表した以外の利用はしないし、嫌ならばそれらを拒否する方法があることも公表する。
インターネットでは人の閲覧行動を分析することは、当たり前となっているが、
リアル社会で人の行動を尾行して監視することと一緒で想像して見たらプライバシー問題だ。
プライバシーの侵害をしたいわけではなく、運営費を捻出するための広告を見ていただくために
必要な範囲で実施していることを分かってもらう必要がある。
Yahoo!japanでは、メディアステートメントとして考え方を表明している。
メディア視聴者のプライバシー情報を広告に利用するなら、プライバシーステートメントで
どこまでの情報を利用し、拒否する方法や苦情の連絡先を明記すると言った透明化に利用することができる。
TRUSTe for メディア では、媒体と視聴者との信頼構築のためメディアが扱う
プライバシーについての透明性を確保します。ユーザー登録者にメールマガジンの
配信しかしていないが今後、広告を発展させる予定がある場合にはご利用ください。